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2019年04月20日

豊田校(第46回):【私の好きな言葉。】

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 どんな人にも朝は来ます。私は「朝の来ない夜はない。」という言葉が好きです。自分を励ます言葉として手帳にも書いています。辞書で調べたら、物事はいつか必ず良い方向に行くという意味があります。 作家「吉川英治」が好んだ言葉です。「三国志」「宮本武蔵」を書いた吉川英治は「私本太平記」を最後の作品として書きました。NHK大河ドラマの原作にもなりました。足利尊氏を主人公とする物語です。その中で、『必ず朝は来る。朝の来ない夜は無い。』が登場します。

 朝が来ると夜は終わります。そんな当たり前のことが当たり前でなかった時代が日本史上にありました。室町時代です。最近、「応仁の乱」がベストセラーになりましたね。次々と新しい研究が進んでブームになっている室町時代。しかし、子どもたちには不人気です。テスト範囲が難解…わずか5年で鎌倉、建武、室町と時代が変わります。後醍醐天皇の名前が難しい。ゴダイゴってカタカナはダメですか。それから、幕府が出来たのに平和にならない。次は南北朝時代?また、戦争なの…確かに、もういやになります。このいつ終わるとも知れない混乱が…60年続きました。まさに、夜が明けない暗い感じがします。室町時代は大混乱の時代だったのです。

 しかし、どんな人にも夜の終わりは来るよ、と作者の吉川英治は語りかけています。朝の来ない夜はないと書いた後に、『それは萌えかけている。地の下、庶民の中に…。』と新しい時代を予感させる言葉を続けました。そこには、普通の生活をおくる当たり前の人たちへの応援と期待が感じられます。私本太平記には特別な人はいません。主人公の足利尊氏は人間関係が下手です。自分は幕府や天皇を裏切りますが、部下や弟に反乱を起こされます。こんなヒーローはいませんよね。もう一人の主役で、太平洋戦争前にはあれほど有名だった楠木正成は平凡な家庭人、つまり平和を愛するお父さんです。普通に生きている一人ひとりの人こそが特別な人間なんだ、という作者の意図に、私はとても共感できます。

だから、There is no night that does not come in the morningという言葉が好きです。
H.Kondo

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