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2011年10月02日

受験英語の先にあるもの

 日本で生きる子供達は教育制度上必然的に英語を習うことになります。すでに小学校でも英語教育は始まっています。受験においては、ほぼ全ての高校・大学が英語を必修科目としています。子供達を取り巻くこの現状を考慮したうえで、英語を学ぶことの是非や要不要論を唱えることはしません学校も塾も少しでも子供達が英語を身につけられるよう最善を尽くすことこそが重要であり使命だと思うからです。文理学院南西校舎高等部が具体的にどういった英語指導をしているかは、簡単ですが先日のブログに掲載させていただきました。是非ご一読下さい。

 話題を英語に戻しましょう。学校や塾の受験英語を通じて子供達はどの程度英語を身につけられるのでしょうか。到達や定着には当然のこと個人差があり、一概にいえるような明確な答のない命題でしょう。先ずは‘身につく’という言葉の定義を共有しましょう。ここでいう英語が‘身につく’とは以下の四つとします。

①英文が読める
 受験英語学習の最大の効力がこの読む力です。大学入試レベルの英文(センター試験を含めて)を訳読できる力は本当に素晴らしいものです。その力とは単語さえ知っていれば(ほぼ)全ての英文を読むことを可能にするのですから。合否を立ち越えて受験勉強をやり抜いた子供達に贈られる言葉からの最高のプレゼントです。

②英文が書ける
 文法学習の際に基本例文(参考書の各文法単元の最初に載っているような英文)をしっかり覚えて来た子であれば問題なく書けます。もちろん書く内容のレベルにもよりますが、リーディングと同様に単語さえ知っていれば書くことは十分可能です。‘書くスピード(書く内容が決まってから書き出すまでと書き終えるまでにかかる時間)’や書いた英文の‘英文らしさ’‘表現の適切さ・正確さ’などは、いわゆる‘文が書ける’といって差し支えない程度とします。受験英語はライティングでも確実に効力を発揮します。

③英語が話せる
 ‘伝えたい内容を必要最低限度は英語で発話伝達できる’といったところでしょうか。ライティングと同じく伝達に‘差し支えない程度’とします。当然ライティング以上に瞬間的な‘スピード(発話内容が決まってから発話を始めるまでと発話を終えるまでにかかる時間)’が必要になり、受験英語の大きな壁になる(と言われている)のがこのスピーキングです。二次的・派生的な文字段階の力からさらに飛翔して、言語本来の姿である音の段階の力を‘身につける’ことは、文法・訳読中心の受験英語勉強だけでは難しいかもしれません。しかし入試を通じて‘英文を読み書きできる力’が養われているということは‘英語で話す力’のポテンシャルも間違いなくあるということです。

④英語を聴き取り意味が認識できる
 ‘発話者の意図する英語での伝達内容を音で認識できる’ことです。受験英語に限らず全ての英語学習者にとって最大の障壁となるのがこのリスニングです。真のリスニング力とは‘音として言語を認識できる’と同時に‘その認識した音を意味として認識できる’力(‘聴即解力’とでもいいますか)です。‘意味を持つ音’という言語の絶対性は生半可なことでは身につきません。音認識段階への到達さえ遥かなる道程です。その‘音認識力を超えた意味認識力(聴即解力)’を‘身につける’というのは外国語学習のひとつの最終到達地です。この力が実感できるなら‘英語が身につきつつある・身についている’といえるひとつの証となるでしょう。

 上記の通り、大学入試を終えた段階で①と②の項目については相当な力が身につきます。受験英語を学習することで文字段階では確実に‘読み書きできる’ようになるのです。この読み書きの力が強い子ほど③の‘話す力’も強いものです。文字には必ず音が伴い、その音もひっくるめて英語を‘読み書き’してきた子はなおのことです。同様に‘話す力’が強い子ほど④の‘聴く力’も強くなるものです。‘読み書きできる’なら‘話せる’ようになり、‘話せる’なら‘聴ける’ようになります。さらに‘聴けるからより話せる’ようになるのです。‘言語学習は全てが繋がっている’のですから。

 長くなりましたが結論として、受験英語学習を通じて‘英語が身につく’土台は確実に培われます(たゆまぬ努力を続けることが当然の大前提ですが)。リーディングとライティングに関してはもちろん、中学時代から‘聴くこと・声に出して読むこと’を徹底して訓練し続ければ、大学入試を終える頃には‘英語の音の世界’の扉を叩く子も現れるでしょう。子供達には受験英語学習を断固たる決意と覚悟でやり抜いて欲しいと思います。日本語を愛する心で、母国語を愛する心で英語を学ぶことです。言葉を慈しむ心で学ぶことです。言葉は人が人である証だから。人類の宝物だから。テクノロジーの進化とともにボーダーレス化が加速するこの現代社会において、英語という言葉は唯一の世界共通言語です。二十一世紀の未来社会を生きる日本の子供達が受験を通じて英語を学ぶことに、何の矛盾も不純もありません。

 次回からは前回のブログに載せた‘大学入試英語学習の五本柱’について、より具体的な話をして行く予定です。またよろしくお付き合い下さい。どうもありがとうございました。


         南西校舎高等部英語担当講師  大西           

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