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2010年12月11日

そのときに何を言うか-大事なことを伝える

 12月7日から9日まで母親の手術に立ち会うために京都に帰省していました。ちょっと大変な手術になってしまったので,前夜から病院に泊まり込みました。
 家族の控え室があったのでそこに私と弟,妹夫婦と姪2人が泊まりました。特に姪2人は期末テストの最中にも関わらず,お見舞いに来てくれました。もちろんテスト勉強の用意もして。
 実は母の手術の日は,下の姪にとっても大切な日でした。部活の府代表選手に選ばれる選考会が,午後7時から京都市内であったのです。その大切なときを控えて,前夜に病院でテスト勉強をしていました。そして,明け方始発電車で家に帰っていきました。朝の7時に部活のコーチが,個人的に指導してくださる約束があったそうです。病院から姪の家までは電車で1時間かかります。それから学校に行く支度をして個人指導を受け,9時から期末テスト,夜には選考会です。中学2年生の女の子にとっては大変なスケジュールだったと思います。
 私の弟が「車で送ろうか」と申し出たときのことでした。
 「自分で電車で行きなさい」と姪の父親が言いました。さらに続けて,
 「自分の足で動かない人が,選考会で選ばれるかな。どんなことでも自分の力でやらんとあかんで」と言いました。
 そのとき,姪は「そやな。そうする」とためらうことなく答え,カバンを持つなり走って行きました。「テスト終わったら,戻ってくるね」と言い残して。
 その後,言葉通りに夕刻病院に戻ってきました。私の母,つまり姪の祖母の手術は無事に終わっていました。しかし,まだ麻酔が効いていて眠ったままです。その祖母に,
 「おばあちゃん,がんばったなあ。今度は私の番やから行ってくるね」と声をかけ,午後6時に病院を出て行きました。今度も一人で電車,地下鉄を乗り継ぎ選考会の会場まで。
 私にとっては,母の手術のことよりも,姪とその父親のやりとりの方が衝撃的でした。姪の父親の発言は厳しすぎるかもしれませんね。コンディション調整や期末テストのことなどを考えたら,車で送迎していくのが適切だと思います。
 「厳しいなあ」とつい私も言ってしまいました。
 すると,姪の父親はニコッと笑って,こう言いました。
 「自分でやらんかったら,誰も助けてくれへんですよ。部活するのはあの子の自由。そやけど,自由の責任は自分でとらなあかんやないですか」
 京都弁ですから柔らかい感じがしますが,とても厳しい言葉です。でも,これってとても大切なことだと思うのです。「自分の力でやらなければいけない」「自分のことは自分が責任を持つ」。当たり前のことですが,これを伝えるのは難しいことです。
 子どもが成長していく中で,周囲の仲間や先輩,大人がどんな言葉を投げかけ,指導していくかはとても大切なことです。いい仲間、先輩、先生というのは、子どもたちに「適切なアドバイス」をする存在だと思います。それも未来を切り開くヒントになる言葉をタイムリーに伝えることで。
 姪がどうして結果を出せているか。その理由が分かったような気がしました。
                                              近藤元

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